【プーリーの話】ペツルのプロトラクション~セルフジャミングって便利だね。

2018/5/7 21:08

ゴールデンウィークも終わりまして、

少しプーリーのお話しをしようかと(←唐突)

 

プーリーとは所謂『滑車』でございます。

昔、物理のお勉強でやったことあるはずですよ~思い出してみてください。

そう、その引き上げる対象を本来の重さの何分の一で上げられるかを計算し、

少ない力で大きなものを引き上げようって話です。

 

クライミングでは荷物や人の引き上げに使ったりします。

プーリーの種類を大きく分けると、

「ノーマル」or

「セルフジャミング」か

になります。

「ノーマル」は真ん中に輪があってロープの滑りを良くしてくれる役割ですが、

「セルフジャミング」は輪の上に歯が付いていて、引き上げたと同時にロックがかかります。

今回は「セルフジャミング」タイプの代表とも言える商品、

ペツルの《プロトラクション》をご紹介します。

 

それがコチラ↓

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税込¥15,336

すでにセットされておりますが、引き上げる対象は約20kgのオモリが繋がっております。

セットに使用するカラビナはオーバルを使用し、できれば安全環付きがオススメ。

そしてこのプロトラクションはカラビナに付けた状態でロープをセットできる珍しい構造です。

こんな感じです。↓

 shinjuku_2018050707 shinjuku_2018050706

しっかり閉じて黄色のロックが閉じているかを確認し、下の輪にカラビナを通して完全に開かないようにします。

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歯をストッパーでロックすれば通常のプーリーとして使えます。こんな感じで歯が付いています。ストッパーを解除して歯を当てます。

ピンクの紐は後から付け足した2mmの細引きです。これにカラビナを付けて引っ張ると解除が楽です。

 

このまま引っ張ってみます。

先に付いているのが約20kgですが、そりゃ結構重たいです。

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引き上げると歯が噛むので吊った状態でロックが掛かります。

しかし、これが自分より重たい人を引き上げるとかになったらプーリー1個じゃまず無理です…。

女性が荷物を1人で上げる場合、この20kgという縦走用荷物でさえ大変な作業になります。

そこで…

プーリーを足して必要な力を少なくしていきます。

今回作るのは一番スタンダードな三分の一システムです。

しかし、実際の現場で引き上げの場合はザックを上げるにしても岩にすれたりして摩擦が大きくなり、

計算通りにはいきません…。

今回もアッセンダーに付いているカラビナの摩擦等で上手く稼動させるには10kg近い力量が必要です。

 

それでは…始めましょう。

 shinjuku_2018050705 shinjuku_2018050710

はい。まずはアッセンダーを付けます。プルージック等でも可。(背景がごちゃごちゃしててすいません。)

アッセンダーの場合は逆向きにセット。下には流れないようにします。

アッセンダー自体も下に流れていかないよう注意してください。

カラビナを掛けてロックします。

そのカラビナに通しつつノーマルのプーリーをセットします。(写真右、プロトラクションは裏側になってます。)

プロトラクションの場合は本体下のカラビナにセットできます。

はい。システムはこれでOK。

試しに引いてみると先程より簡単に持ち上がります。

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引き手側に10kg弱のオモリを付けたら自然と吊り合う感じでした。

プロトラクションの先に付けたアッセンダーが引くのを手伝ってくれる仕組みです。

引く側はビレイ器を付けて、腕だけでは無く、自分の体重を使って力を掛けるとかなり楽です。

特に女性が扱う場合は必ずビレイ器も使いましょう。(ビレイに使うカラビナは環付きにしてね)

システム全体はこんな感じです。

 

ここからノーマルプーリーのオモリ側にアッセンダー(プルージック)をセットし、

もう1つプーリーを同じようにセットすると更に分散できます。五分の一と言われるやつです。

実際三分の一では人を上げるのは大変です…五分の一も使えるようになっておきましょう。

もちろんプーリーがあったほうが摩擦が少なく運動効率は良いです。

プーリーを何個も持っていくことは少ないので、プルージック用のロープとアッセンダーはタイブロック等の小型を持っておくと便利。

先述した摩擦の関係で正確に五分の一で上がるわけにはいかないのですが、1対1の引き上げには基本このシステムが採用されます。

 

今回はセルフジャミングを使いましたが、プロトラクションの位置にノーマルをセットした場合は、

まずタイブロック等を使いメインロープのテンションを支点に移してからシステムを作りましょう。

スリングとタイブロックを支点からとってメインを噛んでもらいます。

その後、このタイブロックが引き上げを手伝ってくれる役割になります。

当然。引き上げ中の落下防止を担ってくれます。

 

…と、この手は話すと長くなります…

今なら秀山荘『MTOC』にて三分の一システムのお試しが出来ます。(時々五分の一だったり)

約20kgならこれくらいで上がるんだ!という感覚が体験できますので

気になった方は是非お店で触ってみて下さい。

セルフジャミング便利~となりますよ(^^)

 

その他のセルフジャミングも少し紹介します。↓

 shinjuku_2018050711 shinjuku_2018050712

CTのロールンロック(写真左) 税込¥11,880

ペツルのマイクロトラクション(写真右) 税込¥10,800

どちらも小型なのでアッセンダーとして持っておくと便利♪

基本がアッセンダーで時々プーリー、万が一の引き上げ(レイジングシステム)といった使い方です。

 

こういった道具は持っているだけではダメです。

必ず反復練習をして片手でもセットできるようになっておきましょう。

 

(MTOC=Mori Tetsuya Otamesi Center)←お忘れでした(笑)?

 

 

-MN-

 

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#新宿#登山#プーリー#ペツル#プロトラクション#レイジングシステム#ロールンロック#マイクロトラクション#5分の1#3分の1

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